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表色系・PCCS |
(財)日本色彩研究所の発表している色の分類表示方法をご紹介します。 ●PCCSとは 日本色研配色体系Practical Color Co-ordinate Systemの略で、色彩調和を主な目的とした表色系=カラーシステムです。色の表示方法として、三属性の記号表示方法や、系統色名での表示方法がありますが、もっとも特徴的な方法として、明度と彩度を「トーン」という概念でまとめ、「色相」と「トーン」の二系列で色彩調和の基本系列を表す表示方法があります。 ●PCCS系統色名 色彩の統計・調査を目的とした研究成果による系統色名法で、調査用カラーコードの別称もある色名法です。色名を段階的に区分する方法で、基本分類・大分類・中分類・小分類で表します。 基本分類 有彩色13種類(JIS基本色相10種+ピンク/ブラウン/オリーブ)、 無彩色3種類の16種類の色名圏に分類 大分類 圏別の基本分類をさらに23種類の色名系に分類 中分類 大分類の色名系にトーンの修飾語(有彩色12種、無彩色5種)をつけて 117ブロックに分類 小分類 色みの形容をくわえて230ブロックに分類 |
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色相(1~24/pR~RP)-明度(1.0~9.5)-彩度(1~9s)の順に表記します。無彩色の場合は、明度(1.0~9.5)の頭にnをつけるのみで表します。
・PCCS色相環内の原色
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●PCCSの色相環 PCCSでは心理4原色を基本した24色相を色相環に用いています。心理4原色とは、最も赤らしい赤・黄・緑・青とされる色で、赤と緑、黄と青は心理補色関係にあり、色相環を4分する縦横軸を形成しています。 ●PCCSの明度 明度段階は黒・灰色・白の無彩色の系列を知覚的等歩度に分割して尺度とします。PCCSの明度段階はJISの色の表示方法と関連をとるためマンセル明度に沿っています。最も明るい白をマンセル明度の9.5とし、最も暗い色を1.0として9段階に分割し、中間明度を内挿して17段階とします。※簡略化して用いる場合は黒を1.5とし、9.5まで1ずつ繰り上がる9段階で表します。 ●PCCSの彩度 PCCSでは異色相同志の彩度が知覚的に等歩度になるよう構成されています。各色相の純色(もっとも彩度の高い色)に近い高彩度色で知覚的に同彩度となるように、まず各色相の基準色=最も純色に近い色=最も彩度の高い色を選び、その基準色の明度と同じ明度段階の無彩色の間を知覚的に等歩度となるよう9段階に分割して彩度段階とします。 ●PCCSの三属性表記 色相(Hue)、明度(Lightness)、彩度(Saturation=「飽和度」の意味)で表します。PCCSの表記法は色相とトーンの組み合わせが原則ですが、たとえば黄色の基準色=最高彩度色を三属性表記すると、色相-明度-彩度=8:Y-8.5-9sとなります ●PCCSのトーン トーンは、明度と彩度の複合概念といえるものです。同一色相のなかでも、明暗、強弱、濃淡、浅深などの調子の違いがありますが、この差異は色相の明度・彩度の違いで生じるものです。PCCSではこれらの色の調子が共通の色を系統的に有彩色12種類・無彩色5段階に分類しています。このトーン分類と色相分類の2系列をヒュートーンシステムとして色空間を設定していることがPCCSの特徴です。ヒュートーンシステムは系統ごとに分けられた明度・彩度の関係と色相の関係が把握しやすく、配色調和に用いるのに適しています。 |
・PCCSのトーンの概念■ |
・PCCSのトーン表■ |
明度・彩度の結合概念:トーンによってまとめられた色相環を、縦の明度軸と、横の彩度軸に沿って並べてあるのが、PCCSのトーン表の特徴です。それぞれのトーン・色調の相互関係がよく解りますね。
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色名による分類 |
表色系による分類 |
表色系/マンセルシステム |
表色系/JIS |
表色系/PCCS |
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参考文献「カラーコーディネーター入門/色彩 改訂版」日本色研事業部 |