Jaket - コラム・ジャケットについて



ビジネス・カジュアルなどシーンを問わずメンズコーデの必須アイテムであるジャケットに関するテキストです。

Roots - 中世農民の上着



ジャックを着た中世ヨーロッパの庶民の男性のイラスト
洋装の上衣であるジャケットは、男女ともにアウターの呼称として用いられ、コートととは丈の長さによって区別されます。ジャケットの直接の語源は、中世ヨーロッパで農民に用いられたジャックという短い上着とされています(イラスト参照)。 現在ジャケットとよばれる上衣のはじまりは、18世紀末のフランス革命時とされています。当時フランスでは、イギリス風の服装が流行していました。前裾が開く形で切り落とされたフロックコートを上衣に、キュロットを下衣に用いるのが貴族たちのファッションでした。フロックコートやモーニングコートなどイギリス由来の上衣は、後世には男子の正装へと発展していきます。一方で革命の騎手となった貧民層であるサンキュロット派(キュロットをはかない、という意味))がパンタロン(長ズボン)とジャケット姿で活躍したため、その特徴的なスタイルが注目をあつめました。



Development - コートのしっぽを切って新登場



山高帽をかぶりステッキを持ったラウンジスーツ姿の男性のイラスト
イギリスの乗馬服に由来するフロックコートやモーニングコートは、ヨーロッパ各国に広がりました。どちらも短い前裾と長い後裾が特徴で、特にフロックコートはテールコート(燕尾服)と呼ばれるようになりました。 フランス革命から半世紀後の19世紀半ばに、イギリスでサンキュロット派のジャケットを元に、モーニングコートの裾を切り落としたデザインのラウンジジャケットが誕生します。はじめはカジュアルなアイテムであり、乗馬やクリケットなどのスポーツや、西部開拓時代のアメリカに輸出されて愛用されました。ヨーロッパには19世紀後半に逆輸入される形で広まります。上下を同じ生地で作るラウンジスーツとして今日のスーツスタイルの定型が完成し、同世紀末にはフロックコートやモーニングコートなどとともに正装として市民権を得ました(イラスト参照)。



Fixation - 成人男子の定番上着へ



アウターにジャケットを着たカジュアルコーデの男性のイラスト
ラウンジスーツは、20世紀初頭ごろからアメリカのビジネスマンがビジネスウェアとして着用し、世界に普及しました。イギリスで貴族紳士の嗜みとされていたラウンジスーツは、当初はベストを内にあわせたスリーピースが正統な着用様式でしたが、後にツーピースへと簡略化されていきました。
現在、フロックコートやモーニングコートといったスーツスタイルは、成人男子の最上級の正装として定着しています。ビジネスシーンにおいてはセットアップスーツは必須ともいえるほどになかば制服化しています。一方で、テーラードスーツの上衣は単独でテーラードジャケットと呼ばれて着用され、大人の男のカジュアルなアウターとして、様々な生地のボトムスやインナーとコーディネイトされ用いられています(イラスト参照)。その他、様々な業種や用途における特徴的なアウターも、ジャケットと呼称されています。



参考文献
西洋服飾史 図説編/著者:丹野郁氏 発行:東京堂出版
服飾の歴史をたどる世界地図/著:辻原康夫氏 発行:河出書房新社
文化ファッション体系ファッション工芸講座1 帽子 基礎編/発行:文化服飾学院教育出版部
ジャック(衣服)(じゃっく)とは - コトバンク/https://kotobank.jp/word/ジャック%28衣服%29-1334629
ウィキペディア 背広/https://ja.wikipedia.org/wiki/背広
ウィキペディア 燕尾服/https://ja.wikipedia.org/wiki/燕尾服

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