Tarban - コラム・ターバンについて



エスニックファッションや、ヘアアレンジのアイテムとして若者に人気のターバンに関するテキストです。

Roots - 気候が生んだ被り物



古代アラビアの王族の男性のイラスト
ターバンは、中東〜南アジア地域で用いられる被り物の一つです。強い日差しや風雨、砂塵などから頭部を守る目的で布を巻き付けたのが起源で、その歴史は同地域の文明の萌芽期にまでさかのぼると思われます。
装身具として固定化されたのも早く、ガンダーラ遺跡からは宝石や花で豪華にデコレーションされたターバン宝冠をかぶった2世紀頃の仏教の菩薩像が出土しています。
ターバンは、細長い布を頭に巻いて冠のような形を作ります。ターバンには被る度に頭に巻き付けるタイプと、形が固定されているタイプがあり、固定タイプは宝飾や羽で美しく装飾され身分の高い人が用いたり、階級や職業を示す標章として使われたりしました(イラスト参照)。



Development - 宗教上の象徴として



ターバンを巻きクルタパジャマを着たシク教徒の男性のイラスト
ターバンは扁平で頭の形にそった丸い帽子をかぶりそこに布を巻く作法が現在では一般的ですが、地域や文化により差異は多々あるようです。ターバンという語はペルシア語のドゥルバンドが15世紀末頃からヨーロッパ語で取り入れられたものとされますが、上記のような事情よりあくまで広義の意味で語源の一つとされています。
7世紀にアラビア半島で開かれたイスラム教では、宗教的謙虚さの象徴としてターバンを扱っており、現代も好んで着用するイスラム教徒の人も多いようです。また色や形などで、身分や出自・職業や思想などをあらわす表示機能もつ場合もあります。
16世紀にインドで開かれたシク教ではターバン着用が戒律で義務づけられており、インドの民族衣装である上衣パジャマなどとあわせて被られてきました(イラスト参照)。



Fixation - エスニックアイテムとしての定着



ターバンを巻きポロシャツを着た洋装のシーク教徒男性のイラスト
現代においても、シク教徒の男性にとってはターバンの着用が日常的に義務づけられています。上衣や下衣などの衣服においては宗教上の制限がないため、一般的な洋装のシャツやボトムスにターバンをあわせたコーディネイトもよく見られます(イラスト参照)。 
一方で、シク教徒や中東〜南アジアのようなターバンの着用文化を持っていない地域においては、エスニックイメージのアイテムとして幅広く認知され、ファッションコーディネイトのアクセントとして利用されています。頭部への従来通りの着用のみならず、ヘアアレンジメントやその長さとボリュームを活かしたショールやマフラーのようなネックアクセントとして、従来の形にとらわれない自由な使い方をされる事も多いようです。



参考文献
アジアの風土と服飾文化/著者:道明三保子氏・田村照子氏 発行:放送大学教育振興会
文化ファッション体系ファッション工芸講座1 帽子 基礎編/発行:文化服飾学院教育出版部
服飾の歴史をたどる世界地図/著:辻原康夫氏 発行:河出書房新社
ウィキペディア ターバン/https://ja.wikipedia.org/wiki/ターバン

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