恵比寿(夷、蛭子、恵美酒)は、七福神の中で唯一日本出身の神様です。七福神の中でも、十日戎、えびす講などで単独でもなじみの深い神様です。 漁業、航海、商業、利殖・財運のご利益が有名です。また七福神の中の大黒様とコンビで祀られる事が多い神様です。 烏帽子と狩衣の上衣をまとったふくよかな笑顔の短身有鬚の壮年形で、波頭の立つ海中の岩場に座り、釣り竿と魚籠を執る姿で表されます。神使は鯛や鯨とされる場合があります。
大黒天は、大乗仏教の護法天部の一尊です。古代インドのマハーカーラ神が仏法の守護神として編入されたものです。あるいは、大国天とも記されるように、国津神の大国主命としても信仰されます。 五穀豊穣、飽食、縁結び、利殖・財運のご利益が有名です。また七福神の中の恵比寿様とコンビで祀られる事が多い神様です。 頭巾と狩衣風の上衣をまとったふくよかな笑顔の短身有鬚の壮年形で、米俵の上に立ち、打ち出の小槌と大袋を執る姿で表されます。三面六臂の憤怒相で描かれる事もあります。眷属は鼠(特に白鼠)が代表的です。牛や白兎を伴う場合もあります。
毘沙門天は、大乗仏教の護法天部の一尊です。七福神の中で唯一、武装した憤怒相の軍神としても知られます。古代インドのクベーラ神(ヴァイシュラバナ神)が仏法の守護神として編入されたものです。 武勇・戦勝、魔除け、利殖・財運のご利益が有名です。四天王の一人で北方守護の多聞天としても知られます。また、鉱山や鍛冶の守護神としての側面もあります。 装飾された唐風の鎧に天衣をまとった有鬚の神将形で、岩盤または邪鬼を踏み締め、戟や宝棒と宝塔を執る姿で表されます。多臂姿で描かれる事もあります。眷属は虎や獅子、百足が代表的です。
弁才天(弁財天、弁天)は、大乗仏教の護法天部の一尊です。七福神の紅一点で、美女の代名詞としても知られます。古代インドのサラスヴァティー女神が仏法の守護神として編入されたものです。市寸島比売命や宇賀神など様々な日本の神様と習合して信仰されます。 弁舌・学芸・音楽の才能、利殖・財運のご利益が有名です。また、水神・海神としての側面もあります。 異国風の着物と天衣を纏った天女形で、波頭の立つ水辺の岩場に座り、琵琶を奏でる姿で表されます。八臂姿で描かれる事もあります。眷属は蛇や竜(特に白蛇白龍)が代表的です。鯰や亀などを伴う場合もあります。
寿老人は、道教で信仰される神仙です。古代中国の占星術で天下太平の吉兆とされる寿星(南極老人星)を信仰対象としたものです。 不老長寿、無病息災、富貴、利殖・財運のご利益が有名です。七福神の一人福禄寿と同起源であるため、混同またはメンバーから省かれる場合があります。 漢服と頭巾をまとった白鬚の仙人形で、瓢箪を結んだ杖や桃、団扇などを執る姿で表されます。眷属は牡鹿が代表的です。鶴や亀を伴う場合もあります。
福禄寿は、道教の寿星(南極老人星)から発展した神仙です。福星・禄星・寿星の三星神を、寿星一人と動物達で表した中国伝来の吉祥絵が、日本において福禄寿という一人の神様であると解釈され広まりました。 不老長寿、立身出世、家運隆盛、利殖・財運のご利益が有名です。七福神の一人寿老人と同起源であるため、混同またはメンバーから省かれる場合があります。 漢服をまとった禿髪長頭白鬚の仙人形で、巻物を結んだ杖や宝珠、団扇などを執る姿で表されます。眷属は白鶴や亀、蝙蝠が代表的です。牡鹿や唐子を伴う場合もあります。
布袋和尚は、禅宗などで尊崇される一尊です。七福神の中で唯一、実在した人物としても知られます。中国唐時代の僧侶・契此が信仰対象となったものです。弥勒菩薩の化身としても信仰されます。 円満和合、人運、子宝、利殖・財運のご利益が有名です。黄檗宗などの禅寺では寺院の玄関に韋駄天と合わせて守護尊として祀られます。 満面の笑みで肥満した上半身と太鼓腹をさらけだした有鬚の僧形で、大袋や数珠、杖や団扇を執る姿で表されます。眷属として唐子や牛を伴う場合があります。
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